大相撲春場所千秋楽。稀勢の里、逆転優勝。男泣きの表彰式。

大相撲春場所千秋楽。
なんと、なんと、昨日には信じられなかったことですが、
稀勢の里が新横綱としての逆転優勝を決めました。
新横綱の優勝は貴乃花以来の22年ぶりとのこと。
表彰式での男泣きに、思わずもらい泣きをしてしまいました。
先場所、優勝した時とは、また異なる涙でしょう。
一昨日のケガからは考えられない逆転優勝。
表彰式で賜杯を持つのが痛そうなケガの状態。
横綱としての根性と意地。
最後まで休まず、ケガに負けない気持ち。
これは、多くの人に感動を与えたのではないかと思いました。
1敗照ノ富士、2敗稀勢の里で迎えた今日の千秋楽。
まずは二人の直接対決となりました。
ケガで力が出しきれないであろう稀勢の里。
それに対する照ノ富士も取りにくいであろう状況。
照ノ富士自身も、終盤、膝の具合が良くない模様。
そして昨日の相撲をお客さんは見ているので、
照ノ富士は完全にアウェイの状況。
一回待ったの後の立ち合い、少し左に変わった稀勢の里。
昨日よりは少し左腕が使えているようではありましたが、
やはりケガ前の相撲は取れない模様。
照ノ富士も右前まわしのいいところを取っていたのですが、
なんと、土俵際での突き落としで稀勢の里が勝利。
照ノ富士も昨日までの強気の相撲が出なかったように思いました。
会場全体が稀勢の里に傾いている今日の状況が、
全く相撲に影響がないとは言えません。
これで、2敗同士となり、決定戦へ。
その後の結びの一番は、優勝争いには残れなかった今場所の横綱二人の対決。
少し長い相撲になりましたが、鶴竜が寄り切りの勝ち。
ともに10勝5敗で終えました。
その後、いよいよ優勝決定戦。
本割で、稀勢の里が勝った後の大歓声で、ますますとりにくい照ノ富士。
一度の待ったの後、稀勢の里が右手を出すような立ち合い、
もろ差しになった照ノ富士、体が起きてしまった稀勢の里、
照ノ富士有利かと思いましたが、右からの小手投げで稀勢の里の勝利。
驚きの逆転連続優勝となりました。
左腕が使えない中で、どれだけ右が強いんだ・・という相撲。
本当にたいしたものです。
支度部屋で決定戦を見て、高安も涙。
その高安は玉鷲との一番でした。
軍配は高安に上がり、物言いで確認して、軍配通り高安の勝ち。
12勝3敗。来場所の成績で大関の声も。
今場所の稀勢の里の相撲は、高安にとっても、きっと良い影響をもたらすのではと思います。
琴奨菊は今日嘉風に勝って9勝6敗で終わりました。
毎日今日のような相撲が取れていれば、あと1番勝てたのでは、
と思ってしまいますが、ぜひまた頑張ってほしい。
小兵「うらうらつよし」の宇良と石浦は今日まで7勝7敗。
宇良は、昨日負け越しが決まった逸ノ城との一番。
土俵際もつれて物言いがつきました。
逸ノ城の右手がつくのが早かったとのことで行事差し違えで宇良の勝ち。
勝ち越しが決まりました。
石浦は、これも昨日負け越した宝富士との一番。
立ち合いから攻めた宝富士が押し出して勝ちました。
石浦は今日は力を出せず負け越し。
遠藤と栃ノ心はどちらも勝ち越しをかけての一番。
遠藤が立ち合いからいい形となり、寄り切って三場所ぶりの勝ち越しを決めました。
貴景勝・大栄翔の相撲がいいですね。
貴景勝は、こちらも元気な千代翔馬に勝ち11勝4敗。敢闘賞受賞が決まりました。
大栄翔も琴勇輝を突き出しで破り11勝4敗。
以下は各段優勝力士。
序の口優勝は一山本。全勝。
序二段の優勝は、決定戦で勝った若山。先場所序の口優勝に続いての全勝優勝。
三段目優勝は、玉金剛。全勝。
幕下優勝は阿炎。全勝。
十両の優勝決定戦。
豊響・大砂嵐・朝乃山が10勝5敗で、7年ぶりの巴戦となりました。
2連勝したものが優勝となります。
まずは朝乃山と豊響。一気に押し出して豊響の勝ち。
次は勝った豊響が土俵を降りずに大砂嵐との一番。
豊響がここも一気の攻めで力を出し切り、大砂嵐を破って2連勝。
豊響が巴戦を制しての優勝となりました。
協会挨拶前の十両英乃海対小兵力士「うらうらつよし」の一人照強の一番。
なかなかの大相撲になり、照強が頭をつけるいい形をとり、
最後は送り出しで照強の勝ち。9勝6敗の成績でした。
来場所は番付を上げて、活躍が期待されます。
三賞は
殊勲賞　高安、3回目の受賞。
敢闘賞　千秋楽に勝って貴景勝が初の受賞
技能賞　該当者なし
初日からの波乱の幕開けだった「荒れる」といわれる春場所でしたが、
ずっと新横綱稀勢の里の強さが続き、まさかの13日目のアクシデント、
それでも根性で休まず、そこからの感動的な逆転優勝。
いろいろあった中で、終わってみれば、
ずっと稀勢の里が新横綱として、主役であったように思います。
惜しくも優勝を逃した照ノ富士も、この場所で得たもので、
また上を目指すいい相撲を取ってもらいたいです。
15日間、ハラハラドキドキ、千秋楽終わってしまうと寂しくなってしまいます。
大相撲はやはりおもしろい。
五月場所が今から楽しみです。