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仮住まいの地で

柴がまだ若い頃に、我が家をリフォームしました。
かなり大がかりなリフォームだったため、家族一同二か月ほど仮住まい。
仮住まいの場所は、我が家よりかなり都市化の進んだところ。
周囲に公園等はあるものの、自然の土が残っている地面が少ないところでした。
柴にとっては、初めてのマンション住まい。
慣れないところで戸惑い気味でしたが、
その後快適に過ごす為には必要なリフォームでしたから、少しの我慢。
人間の方も、周囲に慣れない状態での散歩。
アスファルトばかりの道や、木があっても人工的な植込みだったりすると、
柴も、なんとなく落ち着かない散歩の毎日だったように思います。
そんなある日のエピソード。
少し足を延ばしてみると、かなり遠くまで見渡せる広さの、
トラックの積み下ろし場所や倉庫のあるところに出ました。
敷地の前の道を歩いていると、はるか遠くから小柄な猫ちゃんがこっちに向かって歩いてきます。
たいていの猫ちゃんは、わんこを見ると、すっと遠ざかることが多い中、
なぜかこちらを目がけているようにみえるので、柴ともども、「ん??」
なんか、いやな予感・・。
そして、だんだん歩みを速めて、近くまで来ると攻撃的威嚇!
堂々としていればよいのに、柴と人・・初めての猫ちゃんの執拗な威嚇にオロオロ。
どうにかこうにか、その場を離れて退散しましたが、ある場所まで来ると猫ちゃんは追いかけては来ず、
スタスタと戻って行きました。
こちらが知らないだけで、きっと遠くにいても、縄張りに入ることは許しがたかったのだと思います。
あるいは、子育て中だったかもしれません。
知らなかったとはいえ、「ごめんよ。」
向こうの方のバス停に立っていたおじさまが、一部始終を見ていたようで、
大きな声で「大変だったね~!(笑)」と・・。
心臓ドキドキの散歩になりました。
リフォーム終了まで、猫ちゃん縄張り周辺には足を踏み入れなかったことは言うまでもありません。
二か月後、すっかりリフォームを終えた家は、以前の面影があまりなくなり、
家自体には少し戸惑い気味だった柴ですが、
やはり家周辺の散歩には、「ここ知ってる!覚えてるよ!ここも!ここも!」とばかりに、
尻尾クルクル巻きの、ウキウキ歩きが伝わってきました。
子犬の時から歩いていた場所を、好きでいてくれているようで、嬉しかったです。
そこを、今はゆっくり、ゆったりと歩く柴です。

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